Facebook Instagram

People

加西の人々

心が癒されるアートで、人も環境も美しく。

相馬恵子(kyokkyo)さん

アーティスト

2024.01.31 UP

旅をしながら感性を磨き、表現方法を模索しながら独自のスタイルを確立。現在はキャラクターアートと抽象画を中心にアーティストとして活躍されている相馬さん(アーティスト名:kyokkyo。以下、kyokkyoさん)。子どもを対象にワークショップやアート教室もされており、子どもが主体となり創造力を大切に作品を一緒に作り上げるというスタイルで注目を集めています。これから加西の方々とアートを通じて一緒に何かを作り上げたいという抱負を持たれている、そんなkyokkyoさんを取材しました。

《アートを始めようと思ったきっかけと加西に来た理由》

ユニテ

アートを始めようと思ったきっかけは何ですか?

kyokkyoさん

小さい頃から絵を描くことが好きで、中学生の頃は美術部に所属し油絵や水彩画を描いていました。キャラクターを作ることも好きで様々なアートを楽しんでいた子ども時代でしたが、中学2年生の頃に自分の絵を傷つけられた経験があり・・・。そのときにとてもショックを受け「私の絵はダメなんだ」と思い込み、心に蓋をしてしまったんです。そして高校生以来、絵を描くことから離れてしまいました。

その後社会人になり、絵とは関係のない仕事を続けていた20代。30代には、趣味の「旅」をきっかけにアウトドアアパレル企業に転職。その頃は趣味と仕事が結びついて、とても楽しかったんですよね。旅をすれば知識も増えるし、お客様にも経験を通して様々な提案が出来る。喜んでもらえることが仕事のやりがいにも繋がっていました。

それが30代の後半に突入し、大好きで走り続けていた仕事にふと疑問を抱くようになったんです。旅をしてお金を稼いで、旅をしてお金を稼いで…「あれ?私の人生これでいいの?」って。旅をすればもちろん心も満たされるし、旅が仕事の励みになる。しかしその旅が終わったら、また心にぽっかり穴が空く。そんな中、「本当に自分のやりたいことって何だろう?」と心の声が聞こえたんです。それが知りたくて心理学を学び始めました。

それから1年後に「5日間大自然の中で過ごし1枚の絵を仕上げる」というワークショップが海外であり、思い切って参加をしたんです。自然の中で自分と向き合いながら日々を過ごし、作品が完成した時は本当に感動して涙が止まりませんでした。

この出来事をきっかけに「ずっと忘れていたけど本当はアートがやりたかったんだ!」と、今まで蓋をしてきた自分の気持ちが溢れ出し、もう一度アートの道へ進むことを決意したんです。そこからまた、絵を描く事に没頭する日々がスタートしました。ちょうどその頃に、加西で働いている主人と出逢い結婚。加西へ引っ越しをし、新しい環境での生活が始まりました。

《アートと自分の心の融合》

ユニテ

加西へ引っ越して来られて、何か変化はありましたか?

kyokkyoさん

加西に来た時は、正直ここで生活していけるのか不安でいっぱいでした。実際、結婚当初は少しでも都会に行きたいという思いから、大阪まで働きに出ていました。しかし長くは続かず、体調を崩すことが増え・・・その上コロナも大流行。さらに、海外研修後にアートに挑戦すると決めたのですが、実際どのように進めるべきか分からず迷い模索する日々。そんな中見つけたのが、今の私に繋がるきっかけとなったオンラインアート教室です。創造性を活性化することをコンセプトにしていて、この教室との出会いが、私を本気でアートの世界へ導いてくれるきっかけとなり、退職することも決意できました。教室のコンセプトは「自分の好き得意を見つけ、様々な表現を実験する」ということ。自分の表現方法を何とかして見つけたいという思いから、ほぼ毎日絵を描き続けたんです。

ユニテ

オンラインでそんなに素敵なアート教室があるのですね。

kyokkyoさん

そうなんです。そして「描き続けたら自分は何者かになれるんじゃないか」と、自分と向き合いながらひたすら得意な抽象画を描き続けたコロナ禍の2年間。でもその後、なぜかピタッと描けなくなる時期が来たんです。その時は描けない自分がとても苦しくて・・・リフレッシュのためにしばらく絵から離れることにしました。

その期間が、結果として自分の「好き」の引き出しをたくさん見つけるための貴重な時間となり、3か月後絵を描く事を再開したときに「別に何者にならなくてもいい」という答えが出てきたんです。そして、「今好きなことをやり続けるべきだ、答えはあとからついてくる」と思えた自分がいました。

ユニテ

抽象画を描き続けたことで、ご自身の気持ちの整理ができたのですね。没頭できるものがあるということは強いですね。

《『きょっきょうお』誕生秘話》

ユニテ

抽象画を描かれていたとお聞きしましたが、その後絵本を描くことになった理由を教えて下さい。

kyokkyoさん

人生って一度きりだから後悔はしたくないし、それなら自分が楽しいと感じられる事をしていこう!という気持ちが強く湧いてきました。

そして、これまで描いていた抽象画から一転、自分の「好き」を詰めこんだキャラクターを描くことに。それが『旅する魚、きょっきょうお』の誕生となりました。と同時に、自分の気持ちに正直になれた自分がいて「やっぱり私はキャラクターを描くことが大好きだったんだ」と再確認。そこからキャラクターを想像して描く事が本当に楽しくなり、物語も作ってみたいという気持ちから現在は絵本制作にも挑戦中です。

ユニテ

すごい!やはり子どもの頃にやっていたことって、純粋に好きなことだったりしますよね。子どもの頃の気持ちは大切にしたいですね。

《私の使命が見えた瞬間》

ユニテ

絵を描いている時のモチベーションとして心がけていることはありますか?

kyokkyoさん

一番意識していることは「自分が楽しんでいること」です。
特にきょっきょうおのテーマはエンジョイです。自分が楽しい気持ちでいないと、楽しい絵は描けません。絵は正直ですから。だから、自分の心が常に良い気分でいられるよう感情をコントロールします。良い気分でいると良い循環に入ることができ、自然と素晴らしいインスピレーションも降りてきます。

楽しいことを想像して描く、それが形になる・・・創造する時間が本当に楽しいですね。逆に抽象画を描くときは「自分の心がニュートラルでいること」を意識しています。自分の中では、『陰と陽・太陽と月』のように、キャラクターと抽象画でバランスを取っているのだと思います。私にとってはどちらも大切ですね。

ユニテ

考え方が素晴らしいです。そして、絵は想像以上に奥が深いですね。
今後チャレンジしたいことはありますか?

kyokkyoさん

先ほどの話のように絵を描きながら自分と向き合い成長する中で、今までは自分のために絵を描いていましたが、次は自分の好きなこと、得意なことを誰かのために生かしたいと思うようになったんです。

そんな時、ふと降りてきた言葉が「この美しい星を守ること」だったんです。今までの旅の中で出逢った景色や人・色・すべてを含めて感じたことは、やっぱり「地球って美しいな」の一言で・・・100年200年先もずっと美しい地球であってほしいという思いがあり、そのために自分は何が出来るのかなって考えました。そして、「未来の子ども達のため、地球のために活動すること。そこにアートを結び付けて何か活動をしたい!」そんな使命が見えてきたんです。

ユニテ

なるほど!それで子ども向けの海のキャラクターを使った絵本が出来上がったのですね!納得です。

《加西市が落ち着く場所に》

ユニテ

加西の印象はどうですか?

kyokkyoさん

加西はほどよく田舎で、多くの自然に囲まれています。空気も綺麗で、空を見上げるとたくさんの星を見ることができ、都会では見られなかったこの風景が私にとっては創作するのにちょうど良い環境でした。昔は都会が大好きでしたが、今では都会へ行くと「早く加西に帰りたいなぁ~」と思うようになっている自分がいます。静かな環境は創作にも集中できますし、その時間が私の心を満たしてくれます。結婚を機に加西へ来ましたが、実はクリエイティブなことに目覚めるため加西に来たのかもしれません。そう考えると人生って上手くできていますね。

そして加西には、自然と優しい人達が集まり、特に女性は前向きな方が非常に多いと感じました。きっと加西にはまだ見ぬ素晴らしい才能を持った方々がたくさんいるのでは?とひそかに期待しています。そのような方々に出逢い、共に協力して、人生に面白い創造を起こせたら良いなと思っています!

ユニテ

加西に来られたことも運命だったということですね。ようこそ加西市へ!

《加西でこれから挑戦したいこと》

ユニテ

加西でこれから挑戦したいことはありますか?

kyokkyoさん

そうですね、加西は子育てがしやすい環境にあると思います。それをきっかけに加西へ移住する世帯が増えるといいですよね。そしてその子どもたちが巣立ち、また加西へ戻ってくる・・・そんな未来を担う子ども達に何か貢献できればと思っています。 アートには正解がないように、自分の人生にも正解はありません。自分で選択し作りあげていくことが可能だということを、体感を通して子ども達に伝えていきたいです。 これから先、世界は今までの常識では通用しない時代に入っていくと思います。 ブレない精神や変化に対応できる柔軟な考え方を身につける一つの手段として、アートはとても役立つと感じています。私もアートを通して変われたので。

他には、大人も子どもも参加できる体験の場やコミュニティの場を増やしていき、「加西って楽しそうな町だね」と感心をもってもらえるような場所になれば良いなと考えています。そして将来的には、海外からも注目されるような「楽しく生活している人が集まる町」になると面白いかなと…色々想像しています。

ユニテ

激動の時代を生きる子どもたちへの、最高の言葉ですね!とてもありがたい存在です。加西市に来てくださりありがとうございます。

kyokkyoさん

そしてピカソの『全ての子どもは生まれながらにしてアーティストだ。問題は大人になってもアーティストでいられるかどうか』という言葉が私は大好きで、とても共感できるんです。本当に子どもってすごいと思うんですよね。

ユニテ

名言です!子どもの可能性は無限大ですね。

《これから何か始めようとしている人へのメッセージ》

ユニテ

これから何か始めようとしている人へ、メッセージはありますか?

kyokkyoさん

人は皆生まれながらにして無限の可能性を持っています。しかし無意識に自分自身でブロックしていることがあって…それは本当にもったいないことだと思います。だからこそ、興味のある事はまずはやってみる。そして少しでも前進している自分を認める。そうやってチャレンジを積み重ねることは本当に大切ですね。行動しないと何も始まらないんです。さらに、自分の心に正直でいること、直感を信じて楽しそうだと思う方向へ進むことも大切です。そうやって毎日を楽しんでいると、いつしか「変化している自分」に出会える日が来ると思います。日々の生活の中で仕事や育児に追われることもあると思いますが、1日5分でも自分と向き合う時間を取ることを是非おすすめします!

ユニテ

とても素敵なアドバイスですね!貴重なお話をありがとうございました。

住所 /


最新の投稿